第15回 結婚は相手だけでは決まらない|義両親との関係で学んだ「無理に仲良くしない」という距離感

結婚は相手だけでなく、義両親との関係にも影響されます。無理に関わらない、他人であることを意識する、仲良しにならなくてもよいと割り切るなど、経験から学んだ距離の取り方を綴ります。

相手だけではない義両親との関係を考える父と子の道中記第15回のサムネイル

結婚生活を振り返ると、夫婦の性格や価値観だけでなく、お互いの両親との関係も大きく影響していたと感じます。

結婚する相手は自分で選べます。

しかし、その人が育ってきた家庭環境や、両親の考え方まで選ぶことはできません。

生活習慣、お金の使い方、子育てへの考え方、親族との付き合い方。夫婦二人では話し合えることでも、両親が関係すると簡単には決められないことがあります。

もちろん、義両親だけに問題があったという話ではありません。

自分の両親も、相手から見れば義両親です。自分にとっては普通の家庭でも、相手には受け入れにくい習慣や考え方があったはずです。

今になって思うのは、家族になったからといって、全員が仲良くならなければならないわけではなかったということです。

「家族だから分かり合える」と思っていた

結婚した当初は、相手の両親とも良い関係を作らなければならないと思っていました。

できるだけ顔を出す。意見を聞く。頼まれたことには応える。違和感があっても、その場では我慢する。

家族になったのだから、それくらいは必要だと考えていました。

しかし、無理をして関わり続けると、小さな違和感が少しずつ積み重なります。

義両親に悪気がなくても、こちらには負担になることがあります。反対に、自分では気を使っているつもりでも、相手側から見れば失礼に感じられることもあります。

育ってきた環境が違えば、「普通」の基準も違います。

すべてを理解し合おうとするより、違う人間であることを前提にしたほうがよかったのだと思います。

義両親は、家族である前に他人でもある

「他人」と書くと、冷たい印象を持たれるかもしれません。

しかし、自分にとっては、この意識が必要でした。

血のつながった親子でさえ、考え方が合わないことがあります。まして、別々の家庭で長年暮らしてきた大人同士が、結婚をきっかけに突然分かり合えるとは限りません。

家族になったから、何でも相談する。

家族になったから、頻繁に会う。

家族になったから、相手の家庭事情へ深く関わる。

そう決める必要はありませんでした。

礼儀を守り、必要なときに連絡し、子どもに関する大切な情報を共有する。それができていれば、必ずしも親しい友人のような関係になる必要はありません。

仲良しにならなくてもよいと割り切る

義両親との関係で悩むと、「もっと仲良くしなければ」と考えてしまいます。

しかし、目指すべきだったのは仲良しになることではなく、争わずに付き合える関係でした。

会う頻度を無理に増やさない。

意見が合わない話題には深く入りすぎない。

夫婦の問題を、すぐに両親へ持ち込まない。

子育てへの意見は聞いても、最終的な判断は夫婦で行う。

お互いの生活へ、必要以上に踏み込まない。

こうした線引きは、関係を遠ざけるためではありません。長く付き合うために、摩擦が起きやすい場所を減らすためのものです。

近づきすぎて関係が壊れるより、適度な距離を保って穏やかに付き合うほうがよい場合もあります。

距離を置きたいことは、相手にも伝える

自分だけで距離を取ろうとしても、配偶者に伝わっていなければ、別の問題が起きます。

「自分の親を嫌っているのか」

「家族として付き合う気がないのか」

そう受け取られる可能性があります。

だからこそ、相手には早い段階で伝える必要がありました。

「あなたの両親を否定したいわけではない」

「ただ、頻繁に関わると自分には負担が大きい」

「必要な付き合いはするが、無理に仲良くしようとはしない」

「自分の両親との関係で負担があるなら、同じように教えてほしい」

感情が限界になってから伝えるのではなく、まだ落ち着いて話せる段階で共有する。

それができていれば、夫婦の間にたまる不満も少し違ったかもしれません。

妥協点ではなく、境界線を決めておく

夫婦や義両親との関係には、どちらか一方が我慢し続ける形ではない妥協点が必要です。

たとえば、実家へ行く頻度、長期休暇の過ごし方、子どもの行事への参加、金銭的な援助、親からの助言をどこまで受け入れるか。

問題が起きてから決めるのではなく、夫婦で先に話しておくほうがよかったと思います。

相手の両親を変えることはできません。

自分の両親を、相手の理想に合わせることもできません。

決められるのは、自分たちがどこまで関わり、どこから先は夫婦で判断するのかという境界線です。

結婚生活では、全員から好かれることより、無理を重ねずに付き合える形を作ることのほうが大切でした。

仲良くなれなくても、敵になる必要はありません。

礼儀を守りながら、必要以上には関わらない。その距離感を夫婦で共有しておくことが、家庭を守る一つの方法だったと感じています。

Series

シリーズの流れ

第1~5回:生活を回す工夫第6~11回:働き方と子育ての限界第12回以降:家族の形と子どもの気持ち

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