第13回 離婚調停の相談で約80万円の個別見積もりを受けた日
親権をめぐる手続きを考える
離婚調停と親権をめぐる手続きについて弁護士へ相談し、半年から1年ほどかかる可能性があるとの説明と、成功報酬込み約80万円の個別見積もりを受けた体験です。期間と費用は案件ごとに異なります。

弁護士から「成功報酬まで含めて約80万円」と聞いたとき、私はその場ですぐに依頼を決められなかった。
親権をめぐる手続きには、半年から1年ほどかかる可能性もあると説明された。約80万円も半年から1年も、私が相談したときに示された個別の見積もりと見通しであり、一般的な相場や標準期間ではない。
それでも、子どものこれからを考えるために相談へ行ったのに、最初に浮かんだのは、今の生活を続けながらこの金額を出せるだろうかという迷いだった。
約80万円を、すぐには決められなかった
親権に関することを、お金だけで決めたいわけではない。ただ、私にとって約80万円は、ためらわずに出せる金額でもなかった。
毎月、家賃、保育料、食費、日用品、子どもの洋服にお金がかかる。急な病気に備えるお金も残しておきたい。
弁護士へ依頼すれば、法的な手続きを専門家に任せられる安心はある。一方で、依頼したあとも、子どもとの生活費は変わらず必要になる。
「子どものためなら出すべきだ」と考える気持ちと、依頼によって今の暮らしを苦しくしてはいけないという気持ちがぶつかった。
その場では結論を出せず、正式な依頼を保留した。
半年から1年の間も、生活は続く
費用と同じくらい気になったのが、相談時に示された半年から1年という期間だった。
その間も仕事があり、保育園への送迎があり、家事と子育てがある。調停や打ち合わせに合わせて仕事を調整し、書類を用意し、これまでの経緯を整理する時間も必要になるかもしれない。
相談当時は、残業や休日出勤があった。子どもを寝かしつけたあとに仕事を再開する日もあり、そこへ手続きが加わったときに私が持ちこたえられるか不安だった。
私が動けなくなれば、子どもだけでなく、支えてくれている実家の両親にも影響する。依頼するかどうかは、費用だけではなく、生活全体を見ながら決める必要があった。
保留している間も、毎日は残しておく
依頼を保留している間は、子どもとの生活を安定して続けることを優先した。
朝に子どもを起こして保育園へ送り、仕事が終われば迎えに行く。夕食を用意し、お風呂に入り、翌日の準備をする。
発熱した日には保育園や会社へ連絡し、病院や自宅で対応する。保育園の行事に参加し、母親との面会やビデオ通話も続けてきた。
こうした日常が監護の状況を示すものになると考え、送迎、食事、通院、発熱時の対応、行事への参加、実家へ協力を頼んだ日などを、できる範囲で記録している。領収書や保育園からの連絡、予定表も必要なものは残している。
ただ、子育てを親権のための「実績作り」だけにはしたくない。子どもは証拠ではない。
記録は相手を攻撃するためではなく、子どもがどのように暮らし、誰に支えられてきたかを後から説明できるようにするためのものだ。毎日を細かく書くこと自体が負担にならない程度に続けている。
記録を見返すと、私がしてきたことだけでなく、実家の両親、保育園、母親との連絡に支えられていることも見えてくる。
依頼の保留は、手続きを諦めることではない
記事を書いた時点では、約80万円の個別見積もりを受けたあとも、依頼を保留していた。
見積もりの内訳や支払方法を確かめ、別の専門家や公的な相談窓口からも話を聞いてから判断したいと考えたためだ。裁判所が案内する手続きも確認しながら、何を準備する必要があるのかを整理している。
現在、子どもは私と暮らし、母親とは定期的に面会やビデオ通話をしている。夫婦として戻ることが難しくても、子どもと母親の関係までなくしたいとは思っていない。
依頼を急がずにいることが正しいのか、迷いは残る。ただ、焦って手続きを始めて生活を崩すこともできず、私はまだ子どもとの毎日を続けながら判断しようとしている。
※この記事は個人の相談体験です。約80万円と半年から1年という説明は、相談時に示された個別見積もりと見通しであり、一般的な相場や標準期間ではありません。離婚後の親権の定め方を含む法制度や必要な手続きは家庭の状況によって異なるため、裁判所の最新情報を確認し、具体的な対応は弁護士などの専門家へ相談してください。
参考にした公的情報
- 夫婦関係調整調停(離婚)(裁判所)
- 離婚後の親権者の定めに関する手続等(裁判所)
内容確認日:
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